アイデア　No.2

新案〜ニュートン式反射の斜鏡金具

　従来、反射望遠鏡の斜鏡は光軸修正のためにおおむね以下のような構造になっています。

　斜鏡セル中心に太いネジがあり、これが中心の保持金具の穴を通してつけられています。

　また保持金具には3本の押しネジがあり、これでセルの傾きを調整するようになっています。

　さて、光軸修正の時に斜鏡の角度を変えるとします。たとえば、次の図のように鏡を浅く寝かそうとします。

　従来の斜鏡の光軸修正装置では、押しネジで斜鏡の傾きを変えると、斜鏡全体が鏡筒の中心位置から動いてしまいます。（下図参照）
　

　これは、斜鏡の傾き中心が斜鏡から大きく離れたところにあるからです。

　従って、本来ならば、光軸修正の時にスパイダの長さまで調整しなければなりません。

　そこで私が考えたのは、傾き中心を出来るだけ斜鏡に近づけることです。

　次の写真と図は，この考えから作った斜鏡金具です。

　中心の位置修正ネジを傾かせるのはやめ、その位置修正ネジ先端と斜鏡セルとをハンダ付けした真鍮の針金で連結してあります。

　この連結部は斜鏡のすぐ裏にまで潜り込んでいます。 （下図参照）

　

　押しネジで斜鏡を傾かせると、この針金部分で曲がるため、斜鏡の移動量が少なくなります。
　
　針金の金属疲労を心配に思うかもしれませんが、光軸修正で動く量はごくわずかですから、ほとんど弾性域内の変位で、実際には問題になりません。