２インチ径アイピース（国際光器製ワイドスキャン30mm）を２個使った自作双眼鏡です
　
　ドローチューブはステンレス製（車のマフラーカッターを利用した木村式）で、これに塩ビ製の鏡筒をかぶせ、前後にスライドさせてピントを合わせます。
　
　左右の鏡筒は大きめの蝶番で連結されており、これを曲げることで 59mm〜70mmに眼幅を調整できます。

写真２．蝶番を使った眼幅調整機構
　
　蝶番は心棒を押しネジで締め付ける（写真２を参照）ことにより、動きを固くしてあるので、ややスムーズさには欠けるものの、市販の双眼鏡に近い感覚で眼幅調整が可能です。
　
　ドローチューブに使った物より１回り大きいマフラーカッターを輪切りにして右側の鏡筒にかぶせ、３方向からの押しネジで左右の像を合わせています。（写真３参照）

写真3．３本ネジによる視軸出し調整

　倍率が低いので手持ちでも使えなくはないですが、重くてすぐに疲れてしまうので双眼鏡用のマウントに載せてみました（写真４参照）。
　
　これでビーチチェアーに寝そべって観望する計画です。
写真４．双眼鏡用フリーマウントに搭載
　
　天気が悪く、まだまともな条件では使ってないのですが、さすがに 13度の実視界は広大で、琴座の平行四辺形とベガが同一視野内に入るほどです。
　
　また、明るい星ほど近くに見えるような擬似立体感もあり、84度の見掛け視野と相まって、なかなか雄大な眺めです。
　
　夏の銀河あたりを流すだけでワクワクした気分にさせてくれます。

　ひとつ残念なのは、対物の焦点距離が 195mmと短く、しかも超広視野なため、像面湾曲によると思われる、視野最周辺ピンボケが発生することです。
　
　将来的にはもう少し焦点距離の長い対物に交換したいと思っています。

　しかし、なかなか面白いアイテムであることに代わりはありません。
　
　現状、２インチアイピースが使える双眼鏡って言うのは売ってないわけですから。

(1999.6.26)

　不思議な口径ですが，射出瞳径を計算すると，44mm／6.5倍＝約7mmで，人間の瞳の大きさを考慮した合理的なものであることがわかります。　(yamaca)