デジカメやビデオカメラにワイドコンバーターを付けると明るさ（F)は明るくなりますか？

　カメラ量販店で聞いた話なのですが、カメラ本体のF数より明るくならないということでした。

　実像が小さくなるので明るくなるはずと思うのですが・・・

　また、テレコンバーターの場合はどうですか？

　以上よろしくお願い致します。

　焦点距離を縮めたり、伸ばすのだから、当然Ｆ値は変わると思っていました。
　
　デジカメやビデオだと違う？まじっすか？誰か真相を教えて！（YAMACA)

　以前、ビクセンの4×12単眼鏡にジャンクの0.5xワイドコンバーターを付けて、「広視界で明るい」ファインダーを作ろうとしたのです。

　たしかに倍率は 2倍と低くなり、視野も広くなりました。
　
　視野中心はそこそこシャープでした。

　ここまではよかったのですが、コンバーターを付ける前と後で、星の明るさは殆ど変わりませんでした。
　
　むしろ、余計な光学系付けた分暗くなったようで、とても使用に耐えませんでした。惨敗・・・。

　自分なりに理由を考えて見たのですが、0.5倍ワイドコンバーターを付けると倍率 2xで単眼鏡の対物直径が約半分(6mm)に小さくなって見えます。
　
　逆に2xコンバーターを付けると、倍率8xで対物径は約 2倍(24mm)に拡大されて見えます。
　
　どうやら、有効径が倍率に比例して変化するみたいです。
　
　ワイドコンバーター、テレコンバーターを付けても瞳径が 3mmと変わらないので、有効径÷倍率の計算上でも間違いないと思います。

　そんなわけで、レンズの前に付けるコンバーターは倍率が高くても低くても、どれだけ径が大きくても、主レンズのFより明るくはならないのではないでしょうか。

　さてここから先が、私が疑問に思うところです。
　
　上の考えが正しければ、「双眼鏡や望遠鏡を使えば明るく見える」と一般に言われているようですが、これは正しい表現ではないと思います。
　
　地上の風景も宇宙も、人が目で見える以上に明るくは見えないと思います。
　
　一般に明るく見えるといわれている 7×50の双眼鏡でも、1/7の距離に近寄ったときに人が見えるようにしか見えていないのかも・・・いや、それはそれで凄い事ですが。 

　まず、ワイドコンバータですが、これは下のニコンのＨＰに紹介されているものが例になるでしょう。

　（ただし、テレコンバータも載っています。）

http://www.nikon-image.com/jpn/products/digital_goods/convertor.htm

　原理は、簡便な双眼鏡に利用されることが多い、ガリレオ式の望遠鏡を前後逆にして、凹レンズの方を前にした「逆望遠鏡」です。

　必ず、対象が小さく見えます。

　小さく見える望遠鏡を通してカメラで撮影するので、小さく写ります。
　
　小さくなるので明るくなると思いがちですが、レンズの明るさはＦで決まるのは御存じですよね？

　そしてワイドコンバージョンレンズは凹レンズが前についているのです。

　試しに、ワイドコンバージョンレンズを付けて、前からレンズの中を眺めてみましょう。

　もともとのカメラレンズが小さく見えるはずです。

　つまり象を小さくする働きと同時に、カメラレンズの直径も小さくする働きがあるのです。

　それで、それぞれの効果をかけ算すると、丁度１倍になるので、像の明るさの変化はありません。

　テレコンバータは、凸レンズが前になったガリレオ式の望遠鏡です。

　この場合に、コンバータレンズを付けて、前から覗けば、もともとのカメラレンズは大きく見えます。

　この時は、像が大きくなるので暗くなりそうですが、カメラレンズも大きくなるので、効果をかけ算すると、また１倍です。
　
　ただし、厳密に言うとテレコンバータの一番前のレンズは、十分に大きくないと実は暗くなってしまいます。

　上のＨＰの例では、かなり大きなレンズになってますよね。

　もしも、もとのカメラレンズの焦点距離をを２倍にするなら、テレコンの前のレンズは、もとのカメラレンズの直径の２倍以上にしないとなりません。
　
　安価なテレコンでは、ここまで大きくしていないものがありますので、御注意です。
　
　高級なワイド、テレコンバータはレンズを４〜５枚も使う凝った設計なので、性能も素晴らしいものです。
　
　なお、テレコンバータという同じ名称で、下のＨＰの例のように、もともとのカメラレンズの後につけるものもあります。

　こちらは、焦点距離だけを伸ばしますので、暗くなります。
　
　http://www.nikon-image.com/jpn/products/af_nikkor/af-s_tc-14e_2.htm

　カメラレンズの後につけるワイドコンバータも考えられるのですが、望遠鏡用としては　レデューサの商品名で生産されているものの、カメラ用はボディの方に設計の負担がかかるので作られません。

　例えば、一眼レフですと、ミラーがぶつかるので、作れなくなってしまうのです。